今回ご紹介するのは書籍
「ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ」ジョージ・ソロス / / 講談社


今まで、ジョージ・ソロスに関して、少し色眼鏡で見すぎ手痛。
初めて直筆の著書「ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ」を読んで、彼に対する見方が変わった。
1990年代後半のアジア通貨危機に引き金を引いたとされ、破壊的なイメージが非常に強い存在だった。
しかしこの本を見る限り、投資に対してポリシーや哲学を持っていることがよく分かる。
元々、ハンガリー生まれのユダヤ人。ナチスの虐殺から生き延び、移民としてイギリスに渡る。
子供の頃から本の虫で哲学にはまり「哲学少年」になっていったようだ。

文章は、哲学的な用語が出てくるので、少し難解な感じを受けるが、ソロスの投資哲学が随所に出てきている。
本人も言うのは、現在の金融工学の逆説的なポリシー「再帰性」が軸にある。
「価格はランダムに動くが、やがて平均値に向かって回帰する」という現在金融界で言われる「均衡理論」をばっさり切り捨てている。

本文の内容は、基軸通貨「ドル」と「サブプライム」に端を発している超バブル(Super Bubble)に関することである。
高齢で、既に78歳。自分では最後の著書になることを意識した文章で、かなり力強い文章で書かれている。
金本位制から「ドル本位制」に変わっていく中で、アメリカが何をし、ドルに対してどういう施策をしてきたのか・・・
サブプライム問題は切っ掛け出過ぎず、合成金融商品の底知れぬ闇から起こる「超バブルの崩壊」=「基軸通貨 ドル」の没落が、20世紀の生き証人が克明に解説している。

投資をされる方、投資に興味のない方にも、一度読んでおくことをお勧めする。
日本でも、同じようなことを書いている方も多いが、ジョージ・ソロスが書き残していることが重要だと考える。
それも、世界有数の投資家の投資哲学に基づく考え方だ。
変なサブプライム書を読むより、これ1冊でよいのではと思うくらい内容は濃く、個人投資家は必ず読んだ方が今後の世界情勢を
判断するための、羅針盤のような気がする。

ジョージ・ソロス氏の著書だけを集めてみた。
George Soros Store

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